第一章 『オカルトクソメガネ』

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内木が起きたのを確認すると、 秋虎は柚葉に部屋に入るよう促した。 そして、ずっしりと空いたソファーに座る。 「今回お前の所に来たのは他でもねぇ。佐伯柚葉の相談事についてだ」 「佐伯って、ミスコン優勝者の子ですよね!」 興奮しながら瑠衣が口を挟む。 「ああ、そうだ。そんな佐伯から一つ厄介な相談事を受けてな……。  明らかにお前が俺に吹っかけて来やがったから、今ここにいるってわけだ」 「へー、そうみたいだね。  てか、秋虎 依頼者の前で厄介事なんて言っちゃダメだよ。  僕はあくまで相談事があるとしか聞かされていないんだ。  当然、君のところへ流させてもらうよ」 にやりと笑みを浮かべる内木。 間違いなく依頼内容の厄介さを予想して、 依頼を流したに違いないと秋虎は確信した。
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