昔を思い出してみた1

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「信乃が神様に教えているの?」 マジでバカだったからさぁ… 本当に恥ずかしいことしか言えなかったの俺。 神様は親指で俺の唇をフニフニ押しながら…楽しそうに言った。 「ふふ…確かにお前にとって私は神様の様なものだけどねぇ…どうせなら名前でお呼び。」 神様の親指が俺の口の中に入り込んで上あごを撫で上げる。 ゾクゾクと背中に鳥肌が立つのを感じたよ。 これで…あの人は味をしめたんだろーなぁ… 小さい俺によく指をしゃぶらせる様になったんだぁ。 「……んふっ……きゃみちゃ…ま…。」 「信乃…私は潔美…華岡 潔美(はなおか きよとみ)さぁ言ってごらん?」 親指が口に入ったまま名前言わせるんだよぉ~ 言えるわけないじゃんねー。 「しゃなほは…くおちゅみゅ…ほにゃふは…ちゅおちゃみ…。」 「華岡だよほら…ちゃんと言ってごらん…。」 俺はさ…口の中の親指を噛まない様に必死なわけー。 なのに…あの人わざと歯の当たりそうなとこに指を入れるわけよ。 言えるわけないじゃんねー。 何度も何度も言わせるわけよ…んでとうとうあの頃の俺ってば泣いちゃったわけよ。 ……それが、あの人が最も欲していた俺だったんだけどね…。
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