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まったく、エロ本がない。つまんなかった。
それにしても漫画の数が多いこと。少女漫画しか読んだことがなかったあたし。
一つ漫画を掴むと読み始めた。
「十一月さんマジで何してるの?」
「スポコン漫画って読んだことがなかったんだよな」
返事になってないと、彼は言った。
あの慌てようは、絶対にどこかにエロ本がある。
メモリーか?パソコンに視線をやったが、止めた。パスワードかかってるだろう。舌打ちをして、彼に溜め息を吐かれた。
「十一月さんっておかしいよね」
初めてそんなことを言われた。
なんで、こいつはあたしを見て怖がらないのだろうか。むしろ笑っている。
「これ借りてくけど」
初めて異性の部屋に侵入捜査をしたが、なんともトキメキがない。色気もないがベッドを占領した。
「いいけどそれ30巻くらいあるよ」
けしてイケメンではない彼は言った。余計なお世話だろうな。そいつはきっと悪い奴じゃないってことは解った。
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