0人が本棚に入れています
本棚に追加
ここまで不透明な会話もあるまい。
「もうお開きにしましょう。ね? ね?」
私は悲鳴をあげたい気持ちで、散らかったビール瓶やら空き缶を片づけだす。
先ほどから、となりの部屋から怒声が飛んできて、壁を殴りつける音が何度もする。
やはりアパートで宅飲みはリスクがデカかったのだ。あれだけやめようやめよう、と言ったのに。このバカどもは酒を持ってきてドンチャン騒ぎ。そして、このザマだ。
遠くからサイレンの音が聞こえてくる。
ああ、本当に透明人間になりたい……と私は切に願った。
最初のコメントを投稿しよう!