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1.受難
クロウの日常はなかなか忙しい。
何でも屋なんて看板を掲げているだけあって、様々な依頼が日々舞い込む。クロウが忙しいということは、その下で働くロベルトも自然そうなってしまう。
しかし、実際に忙しない気持ちで動いているのはロベルトだけで、クロウは平生と何も変わらない。
依頼を受けては外に出て行き、しばらく帰って来なかったり、かと思えば大金を手に突然帰って来たりと、相変わらずわけがわからない。
ロベルトはどうにか役に立てないかと思案しながら、結局は家事とフランクの酒場でのバイトに追われる日々を送っていた。
実家への仕送りはなんとかこなせていたが、グレイスの行方を探すのは手付かず状態だった。
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