キミの背中に、手を伸ばす。

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 ほんと、紛らわしいよ。俺、めっちゃテンパっちゃって恥ずかしいじゃん。 「……ははっ。土岐ってば、いつからアメリカナイズされちゃってたん? フレンド的ハグ、いきなりでびっくりしちゃっ……あれ?」 「武田っ?」  この体勢の理由が判明して極度の緊張が解けた俺の身体は、カクンっと膝を折って脱力し、へなへなと床にくずおれてしまった。 「おい、大丈夫か?」  ありゃ? 変だな。俺がぺたんと床に座り込んでも、土岐の手が離れてない。  俺の身体を支えながら、同じように屈んだからだ。  そして、覗き込んでくる顔は変わらずに近い。どういうわけか。  てかさ、俺、もう駄目。  さっきハグの謎解きでめちゃ高速で頭使ったし、今も密着が続いてドキドキしてるし。ほんと、色々限界。  『友情のハグ』とか、マジ勘弁。  こういうのさ、すげぇつらいんだよ。もう、この触れ合いから解放してほしい。
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