キミの熱に、焦がされる。

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「誘っ……誘ってって……え? 俺、そんなつもりない……」  かろうじて声を返すと、柔らかな笑みつきで、ポンっと土岐の手が頭に乗る。 「ん? 無自覚だったのか? まぁ、いい。ところで、明日はどこで花火を見ようか。お前、考えておいてくれる?」 「あ、うん、わかった。考えとく」  きっちりと縫い止められたと思った目線が、ふっと外され、話題も変わった。  そのことにホッとしつつ、けど、『あれ? さっきの話、もう掘り下げねぇの?』と思う、身勝手な俺がいる。  なぁ、俺と触れ合わせたい舌以外の場所って、いったいドコっ? 聞けねぇけど、めっちゃ気になるぅ! 「場所が決まったら、メッセージをくれ。あぁ、そうだ。場所のセレクトはお前に任せるが。出来たら、花火が綺麗に見られて、ふたりきりになれる場所がいい」 「え……」 「明日は、もう少し先に進めるつもりだから――――いいだろ?」 「……っ! すすっ、すすすーっ?」  首筋をすりっと撫でながらの『いいだろ?』に、『すっ』しか返せない。  進める? 何を、どこまでっ?  それに、どうしよう。じゃあ、どこがいいん? 俺、そんな場所、思いつかないよ。  グラウンドで皆と一緒にわいわい楽しむとか、当然駄目じゃん! 「あ……どこ? グラウンド、は……」 「あぁ、心配するな。グラウンドでもいい。がっつり進めるのは、まだ先に持ち越すことにしておくから」  思いっきりカタコトだったのに、俺の言いたいことをわかってくれて嬉しい。 「一度にヤりすぎて引かれても困るからな。止まれない自信も、たっぷりあるし」  けど、言われてる内容がどうにも俺には刺激的すぎるみたいで、理解不能のようだ。  とりま、明日は『今日より、少しだけ進む』んだと思っとけばいいよな?  そうなんだよなっ?
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