第4回ファンタジー:「勇者の剣」

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「ししょぅ、アレ、何ですかねー?」  ミランダは小高い丘の真ん中に、剣のようなものが刺さっているのに気付いた。  二人は旅の途中の娯楽程度にその剣に近づく。 「師匠〜、見てください。銀の剣みたいですよ。きちゃないですが、装飾が綺麗ですね~。」  言いながら、ミランダは剣に手を掛ける。 「ミランダ! 触るでナイッ!」  ユリアスの手が、剣を引き抜こうとしたミランダの手を制するが、時、既に遅し。真っ直ぐに伸びた銀の剣が、堂々と天を突き刺していた。 「どうしたんですか~?」  ことの重大さに気付いていないミランダは、初めて持つ銀の剣に声を弾ませている。  そんなミランダにため息を一つ吐くとユリアスは話し出した。 「お前は、…勇者の剣を抜いてしまった」  ミランダは、びっくりして剣を投げ捨てた。カランっと勇者の剣は安そうな音をたて転がった。 「勇者の剣!???」 「そうじゃ。…周りを見ろ!  西の山は竜を描き、東の山は山猫を描いておる。その二つの山の交わるところに太い川!」  ユリアスは堂々と山々に手をかざし説明する。 「師匠、東と西が逆です!」 「喝!!」  ユリアスは、一言で威厳を示した。   
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