第4回ファンタジー:「勇者の剣」

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 気を取り直して、ユリアスは話を続けた。 「竜と山猫が仲良く水を飲み合っている。すなわち、ここ明道!!この土地に埋まる剣を持つもの、勇者なり!!」  ユリアスは珍しく熱く語っている。  安く転がった銀の剣は無造作に投げ捨てられている。 「勇者おめでとう!!」  ユリアスはミランダの肩を叩く。ミランダはことの成り行きに付いていけずに固まっている。  これから待ち受ける勇者の道を考えると得たいが知れない。 「ししょぅ~!! 勇者って何するんですか~??」 「古の人は言った。風に訊け、山に問え、己を信じろ!!」 「何ですかソレ?」  ユリアスは画面蒼白になったミランダを置いて先を歩き出した。ミランダは慌ててユリアスを追う。 「ししょぅ~!!! 無理です。イヤです!面倒臭いです!!」 「わしだってごめんだ。わしは遊泳山でお前の買った安い酒を飲むんじゃ。お前は世直しせよ」 「ししょぅ~、助けてくださいよ~!!」  その時、投げ出された銀の剣がゆらゆらと浮かび上がり、逃げ出す二人の後を追いかけてくる。そして、ものすごい勢いでミランダの右手に吸い付く。 「どうしよう!! 師匠、剣が離れません!!」 「勇者よ、くっ付くでない! わしを巻き込むでない!」 「勇者って呼ばないで下さい!! 酒を少し良いのに変えます! だから助けてください!!」 「わしは安い酒で構わん。だからはなせ!」 「師匠〜!どこ行くんですかー!? また、西と東間違ってますよ! そっちじゃありません。こっちです。風が呼んでます」 「わしは呼ばれておらん。」 「師匠〜、一緒に行きましょうね。  何かわからないけど、倒しに!」 「勇者よ、は、な、せッ!!」  二人の旅は始まったばかり、...遊泳山は遠い。 《END》   
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