第1回SF:「秘密会議」

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 僕は床に耳をあてながらぺぺとポポを待っている。    隣には2つ年下の7歳のサチが、僕と同じように敷かれた布団に入り、頭だけを冷たい床にひょっこり出しながらべったりと片耳を床につけていた。良く聞こえるようにね。  寒いからね。布団を頭まですっぽり隠して、出来るだけ冷たい空気に触れないようにするのが、この時間を無事に過すコツなんだ。途中で、寒くなって我慢するの嫌だろう?我慢できなくなって動いたりしちゃうとさ、音を立てちゃうかもしれないじゃないか。そのせいで、ぺぺとポポが警戒してこの家に来なくなっちゃったら、そんなのは絶対に嫌だ。それは断固阻止だ。  だから僕たちは、時計の針が午後9時を示す5分前までにはこんな風に、ぺぺとポポを迎え入れる体勢を整えておくんだ。    必ず宿題をして、明日の準備をして、お風呂に入ってサッとパジャマに着替えてさぁ、歯磨きして布団の中に入る。そうそうトイレも忘れずに。ママが急にそのことで子供部屋に来ることがあるからね。それも断固阻止だ。ママの声はキンキン煩いし、なりよりしつこい。挙句の果てにキレるから、従わざるおえなくなるしね。
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