1人が本棚に入れています
本棚に追加
曜「琵琶の海は、伊勢の海のように、しょっぱいの?お姉さま」
有「いいえ、曜。琵琶の海は塩辛くないのよ」
波打ち際では、3人の姫が楽しそうに遊んでいます。
曜「どうして?姉様」
不思議そうに曜姫は姉たちの顔をのぞき込みました。
有「えっと…それは…」
有香姫は困ってしまって、姉の絵里香の顔を見ました。
絵「きっと、浅井のお父様が琵琶の海を治めていたもの。父上はとても優しい方だったもの」
絵里香が言うと、有香も嬉しそうに、
有「ええ!そうですよね!きっと!」
そうは言っているものの、どこか寂しそうな笑顔でした。
しかし曜は、もっと悲しかったのです。
曜(私だけ、父上のことを知らない……)
曜が生まれてすぐ、父・長政は死んでしまったのです。
その理由は、母のお市の兄であり、姫たちの叔父に当たる、織田信長により滅ぼされたというからです。
曜は、母がこんなに優しく、父も優しかったそうなので、叔父上は本当に非情な武将なのかを聞いてみることにしました。
最初のコメントを投稿しよう!