1.曜姫-戦国の世の華-

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曜「琵琶の海は、伊勢の海のように、しょっぱいの?お姉さま」 有「いいえ、曜。琵琶の海は塩辛くないのよ」 波打ち際では、3人の姫が楽しそうに遊んでいます。 曜「どうして?姉様」 不思議そうに曜姫は姉たちの顔をのぞき込みました。 有「えっと…それは…」 有香姫は困ってしまって、姉の絵里香の顔を見ました。 絵「きっと、浅井のお父様が琵琶の海を治めていたもの。父上はとても優しい方だったもの」 絵里香が言うと、有香も嬉しそうに、 有「ええ!そうですよね!きっと!」 そうは言っているものの、どこか寂しそうな笑顔でした。 しかし曜は、もっと悲しかったのです。 曜(私だけ、父上のことを知らない……) 曜が生まれてすぐ、父・長政は死んでしまったのです。 その理由は、母のお市の兄であり、姫たちの叔父に当たる、織田信長により滅ぼされたというからです。 曜は、母がこんなに優しく、父も優しかったそうなので、叔父上は本当に非情な武将なのかを聞いてみることにしました。
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