第2章 舞い降りたモノ

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ピピピピピ 早朝--でもない時間、僕の耳元で目覚ましが鳴り響く。 「う………、セットしぱなっしだった」 それをふとんから這い出て止める。 「はあー。目が醒めちゃったよ」 一人愚痴る。時間は朝8時。大学の一コマ目がある時は起きなくちゃいけない時間なのだが、前期の授業は昨日のテストで終わっている。つまり今は夏休み。こんな時間に起きる意味なんてない。それなのに昨日まで散々脳を酷使した反動なのか、眠気を感じられなかった。 「起きるか………」 ゆっくりと起き上がる。ついでに周りを見渡す。6畳の狭い部屋に机にタンスと本棚、それと小さなベットがあるだけの僕の部屋。大学に通うさいに借りた、小さなアパートの一室。簡単なコンロと流しは廊下にある。一応簡素ながらもシャワーは備わっている。貧乏学生からしたら十分贅沢な環境である。 ゆっくりと窓へと近づく。あくびを噛み殺しながら。窓が南側に向いているのでこの時期の朝は日差しが強い。カーテンの隙間から光が漏れ出していた。まあもう起きるのだから明るい方がいい。一気にカーテンを開く。それと同時にいきなり強い光にさらされたからだろう、視界が暗転する。時間をかけて馴らしてから外へと視線を向ける。
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