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すると生きている雅に変化があった。
路地裏に移動し、全身の力が抜けていくようにゆっくり脚から倒れていった。
「気持ちよすぎて倒れたか」
死んだ悠が笑いながら言うと、生きた雅から見たこともない幽霊がスーッと現れた。
その霊は死んだ雅の方に歩いてきて、
一礼をし、
「ありがとうございます。これで僕の夢は叶いました。成仏出来ます。身体はお返しします。」
とだけ言って、消えていった。
ポカーンとしていると、死んだ雅の姿がなかった。
生きた雅の方を見ると、立ち上がっていて、こちらの方を向いて、手を振っている。
生き返ったらしい。
「なるほど、さっきの霊は童貞卒業の夢を雅之の体で達成して、成仏したのね。」
悠は鼻をほじくりながらそう言う。
航は、結局卒業したの雅だろ、と思いつつ、悠に
「とりあえず俺らも自分の身体探して生き返えろうぜ。」
というと
「そうだな」
と、2人で花見川南へと向った。
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