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「…尻文字だ」
航が思い付いた様に言った。
1人がお尻を巧みに動かし、字を表現する。
もう1人がその動きを分析し、表現した字を当てる、アレだ。
「成程」
悠はおっさんに尻文字で住所を伝えるよう指示した。
航は紙とペンを用意し、おっさんが尻文字を始めるのを待った。
すると何を思ったのか、おっさんはズボンとパンツを脱ぎ始めた。
「…おい、アイツ尻文字を分かってんのかな。パンツ脱ぎ始めたんだけど」
それを聞いた悠はおっさんにパンツは脱がなくていいと注意したのだが、
おっさんは首を横に振った。
何故か知らないが脱いだままがいいらしい。
おっさんが尻文字を始めた。
時々ちらつくアナルが集中を乱すが、航は一生懸命におっさんの尻の動きを分析した。
悠は呑気にTwitterを見ていた。
「角山動物園からゴリラ脱走だってよ、お前の仲間じゃんか」
「俺はもうゴリラには似てねぇ」
するとおっさんの動きは止まった。何故かシュンとしている。
気づくと航の持っていた紙には隣町であるマッポロ町の住所が書かれていた。
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