狸と身体

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その頃、狂四郎は、空き家を巡っていた。 寒空の下、かじかんだ手をハーハーと温めながら5軒目の空き家へと向かっていた。 狂四郎は、エロ本を探していた。 何故か。 三日前に遡る。 「俺って反AVなんだよな」 昼休みに特に目的もなく航と廊下を歩いていた時、航が突然放った言葉だ。 「え、やまぐち○ことか、松本メ○とか、つ○みとか知らないの?」 細い目を更に細くし、しかめっ面で狂四郎は言う。 「知らねえよ。妄想とたまに見る女子の谷間をインプットしてヌいてる」 狂四郎は驚きを隠せなかった。 そんな綺麗な想像で汚い事をしているのかと。 航はさらにこう言った。 「でもエロ本ならセリフとか自分のニュアンス?で解釈できるし、ヌけそうだよな。」 狂四郎はこの時、プレゼントを何にするか、決意を固めていた。
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