狸と身体

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誕生日当日。 狂四郎はノイローゼ気味になっていた。 エロ本の事しか頭にないのだ。 官能的な意味ではなく、エロ本という概念自体に頭が囚われていた。 どうすればエロ本が手に入るのか。 朝から昼になり、学校が終わる10分前にまで近付いていた。 絶望的だった。 金も無いわけではない。他の物も買ってプレゼントは出来る。 ただ、 航にエロ本をプレゼントしたい。 その決意に背く事が出来ないのだ。 考えに考えを巡らせていたその時だった。 空き家… 空き家に侵入するという遊びを雅とした事があるのを思い出した。 その際無数のエロ本を発掘し、道路に撒き散らしたのを思い出したのだ。 …これだ…! 終了のチャイムが鳴ったと同時に狂四郎はその場を風のように去った。
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