第1章

3/3
前へ
/3ページ
次へ
透明人間も一応生きているので、透明であってもそこに確かにあるし、存在している。だから、殴られれば痛い。だっていうのに透明だからぶつかっても謝られないし、ぶつかった方も不思議そうな顔をしている。最悪の場合、なんか殴れるという理由で何度も殴られることも。抗議できればいいのだが、抗議しても行為がエスカレートする場合もある。なので、そういう時は全力で逃げるのが好ましい。どこにでも、痛がるところさえ見えなければ悪意を押し付けていいと思うものはいるものだ。そういう人間の餌食にならないために、それからは全力で逃げた方がいい。謝ってもらえない上、痛い想いをするなんて理不尽極まりないだろう。 主に不便なのはこれくらいだ。それ以外にもいろいろ不便はあるが、なりたての頃はこれに気をつければ大体なんとかなるだろう。寂しければ仲間を探せばいいしな。元に戻る方法っていうのを俺は知らないが、生活していれば慣れるものだ。 では、良き透明ライフを!
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加