空気のように大切なあなたへ

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「……この、指輪」 「アカリに、似合うと思って」 「女の人と行った、アクセサリーショップ」 「俺にはどれがいいのか分からなくて。  迷ってたら、大きさを測るだけじゃなくて、選ぶ所から早瀬の姉貴さんが付いてきてくれたんだ」 「高い、よね」 「バイト、頑張った」 「私達、まだ、大学生、だよね?」 「うん。だから、婚約指輪。  卒業したら、結婚しよう」 「……こういうのって、普通、卒業してから」 「空気がないと、人は生きていけない。  俺にとって、アカリは空気同然。  結婚はもう、心に決めてた。  だったら、逃がさないように、こっちの決心を伝えておこうと思って」
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