いつか、貴女と同じ月を

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「お嬢様、本日のご予定は把握していただけた」 「じゃあ! 行ってきますっ!!」  不安になった俺は、雅に確認の問いを投げようとする。  だが俺の言葉を無視した雅が部屋を飛び出していく方がわずかに早かった。  ……と、いうよりも。 「……俺の懇切丁寧な説明を、イチミリも聴いていなかったな? この不良お嬢様」  今日の雅お嬢様のご予定は、午前中が大学のお勉強。  お出かけは午後からのご予定なんですがね。  行ってきますって、いったいどこへ行くつもりなんですかね、俺が仕えるお嬢様は。  配車の手配が整っておりませんので、行ってきますと言われても、どこへも行けないはずですがね。
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