透明少女

視線

「授業中は静かにしなさい」

少し優しい顔で、真剣な口調だった。

「お前ら、もうやめろ」

教室が静まり返る。

「わかってんだよ、なんにも気付かないババアやジジイ教師と一緒にするな。
神崎、お前がこいつを狂わせたんだぞ。お前責任取れるのか。教師に良い顔しててもそういう性格の悪いやつはいずれボロが出るんだよ」

「とりあえず、先生はこいつを保健室に連れていくから、自習。」

そう言って、私の手を取り立たせ、教室をあとにした。
遠ざかる教室からどよめきが聞こえる。
私も状況が飲み込めず、ただ先生のあとをついていく。

「え、あの…私、透明で……」

「戦えよ」

振り返った眼鏡の奥の瞳は、たしかに私を映していた。