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放送部室のドアの前には、紙で映画研究部と雑に書かれてあった。
真っ暗なそのドアは威圧感すらあり、中に入りづらい。
放送部室近くの廊下も静まり返っているし、誰もいない。防音が効いているのか、中から物音一つ聞こえてこない。
怖じ気づいてきた。
ノックをする勇気がここまできて、ない。
さあ、どうしようかと考えていたとき、ドアが少し開いた。
「ーーじゃあよろしく」と男の人の声が聞こえ、ゆっくりドアが開かれていく。
部員の人だ、と夏日は身構え、挨拶の言葉を考えた。
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