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お茶を出されて、口に含む。
お茶を出してくれた人は、眼鏡をかけた真面目そうな男の人だ。上履きの色とネクタイの色からみて、三年生だろうと思う。
周りを見渡す。
三脚やビデオカメラ、テレビ台に録音をとる機械(そのように見える)があって、隅にはごちゃごちゃとよくわからないものが置かれていた。
本棚もあり、映画のDVDが多く入っていた。映画研究部というだけある。
その中には夏日も知っている映画があった。
勿論スタンド・バイ・ミーもだ。
本棚に視線を移していると、眼鏡をかけた先輩が「見学にきたっていってたよね?」と夏日に訪ねた。
「……洋画を観るのが趣味なんです」
「俺も俺も!…もしかして夜中にやってるシネマの映画も見てる?」
「見てますよ。この前は50回目のファーストキスの再放送でしたよね。もう何回も見ているんですけど、感動がとまらなかったです」
「あー俺も。次の日瞼が腫れてさ、誤魔化すのが大変だった」
「同じです!」
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