side 柳

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ーー来るもの拒まず、去る者追わず。…いや、ただ淡白なのか、お前は。 いつだったか昔、それなりに仲の良かった友人に言われた言葉をふと思い出した。 実際はただ他人に興味が持てないだけで、どうでも良いことはとことんどうでも良いと思ってしまう質なだけだ。 事実、その友人の名前は既に忘れてしまっている。 だからと言うか何と言うか、俺は自分がクラスで浮いた存在であることを認識しながら、その状況を特に変えようともせずに放置していた。 祖母がイギリス人で異国の血が入っている俺の髪は金色で、加えて目付きが鋭いせいもあり、クラスの奴らからは怖がられているようだった。 だが必要以上に他人と関わらないで済むこの状況は、むしろ俺にとって好都合。 授業をサボろうが何しようが、気にするやつは誰もいない。
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