第1章

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青々しく、壮大に広大に広がる青空。 カモメが群がる漁船 汐風運ぶ砂浜。 錆びた白いポール。風になびかれ奏でる木々のメロディに合わせて歌う虫達。 高い建物は、僕が通う病院ぐらいだろうか。 そしてこの、自然豊かな街が僕の生まれ育ったら街らしい。 自分のことに対し(らしい)とは、いささか他人任せな気もするが。 しかしこの知識も、この記憶すら仮初にすぎない。 本当にここが、故郷なのか。そもそも 故郷とはなんなのか。 その事ですら、悩み始めるとキリがない。 他の人が当たり前のように受け入れる言葉ですら。 僕は心の奥底では受け入れる事ができずにいる。 僕の身ぶり素振りすら偽者で 僕の感情は偽り ただ、空っぽの入れ者に 無理矢理知識をいれこまれた、人形にすぎない。そう 人の形をした偽者。 それが僕にはただしいのだろう 僕に親しみを持ち話しかけてくる人々 それすらも 全て空想なんじゃないかと。 僕は白く、そして脆い。 だから僕は 1人になれるこの丘が好きだ
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