藤島章の過ち(2)

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十五歳になったら、家を出る。 オレはガキの頃から、ずっと心にそう決めていた。 オレの先輩たちがそうしていたように、中卒のガキだって、建設現場で働けることくらいオレは知っていた。 オレは人から尊敬されるような大人になれなくても、せめて、オヤジやオフクロみたいな生き方はしたくなかった。 オレには、どんな生き方をすれば自分が幸せになれるかがわからなかったし、 自分の選んだ道が正しいか判断することもできなかった。 でもオレは、今、自分が大切に思っている陽子を幸せにしてあげたかったし、 できるだけ自分を陽子の理想に近づけたかった。
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