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オレはその日の夜、友だちの慎吾の家に行き、慎吾の部屋でタバコを吸いながら、慎吾に話しかけた。
「慎吾、お前さぁ、中学を卒業したら、何するつもり?」
「そんなこと考えてねぇけど、とりあえず、プー太郎してるか、日雇いの仕事をするかのどっちかじゃねぇかな」
「高校に行くつもりなんて、ねぇよな?」
「あたりまえじゃん。
オレみたいなのを入れてくれる高校なんて、どこにもねぇよ。
章、どうして急にそんなことを聞くんだ?」
「オレ、柄にもなく、高校に行ってみてぇなぁって」
「はぁ? 章が?
無理無理、止めとけよ。
オレが高校の教師だったら、章のこと学校に入れたくねぇから」
「そうだよな。
オレもそんなことは、わかっていたんだけどさぁ」
オレはそう言って、口をつぐんだ。
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