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範子が教室に入っていくと、あちらこちらで聞こえていた話し声が、ピタリと止んだ。
教室内の空気は張りつめ、クラスメイト全員が、範子に冷たい視線を送った。
〈 範子が来たぜ! 〉
教室の隅から、男子生徒の声がした。
〈 殺人犯の娘のくせに! 〉
〈 ヤバイ、範子だよ。
本当に学校に来たよ! 〉
一瞬、静まり返った教室内が、ざわめき始め、範子は自分がこの場にいることを歓迎されない存在だと知った。
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