第一章 一匹オオカミ

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何かを怪しんでいるような声に、朝日はビクッと体を震わす。 まずい。 感づかれたか? 足下をソワソワさせる様子を見て、眼鏡は見逃す事はなかった。 朝日の前にしゃがみこみ、足首を掴む。 逃れる為にもがくが、握力が強い眼鏡はギリッと力を入れた。 痛さで顔を歪める。 抵抗しても無理だと確信した朝日は、諦めて暴れるのをやめた。 「かつあげされ慣れている奴は、だいたいこう言う所に隠しもっているもんだ」
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