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少女は無理矢理立たせ「行きましょ」と促した。
深夜だと言うのに空は赤く染まり、黒い煙が立ちこめていた。
この光景に、生きると言う希望を失いつつあった。
どこを見ても火の海。
聞こえるのは爆発音と、逃げ回る人達の悲鳴と死に絶えていく人達のうめき声だけだ。
「安全な場所なんてあるのか?」
逃げる事を放棄擦るような言葉に、少女はキッと睨みつけた。
「生きなきゃ駄目。皆のためにも生きなきゃ。そう約束したじゃない」
「………そうだった」
フッと笑う朝日。
まるで昔の事のように思えた。
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