半沢範子の憎しみ(2)

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範子へのイジメは、なくなるどころか、しだいにエスカレートしていった。 範子は自分の人格を全否定されているかのようなそのイジメに、精神的に追い詰められていった。 〈 私のお父さんは、殺人犯。 私は、殺人犯の娘。 私は生きる価値のないゴミクズ…… 〉 範子は自分の父が、周りから悪く言われる度に、父との良い思い出を思い返し、心の中で父をかばった。 〈 私のお父さんは、強くて、優しくて、いつでも私の味方なの。 みんな、私のお父さんの悪口を言わないで。 お父さんは、あの日、少しだけ道を踏み外しただけなの。 お父さんは、本当は優しい人なの 〉
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