半沢範子の憎しみ(2)

15/40
前へ
/40ページ
次へ
範子は自分の数少ない味方の父を悪く言うつもりはなかった。 それどころか、父が口汚く罵られる度に、心の中で父を美化し、父の悪口を否定した。 範子はいつの日からか、父が範子にくれた御守りを肌身離さず持つようになっていた。 範子はその御守りを持っていることで、父といつも一緒にいるような気でいた。 範子は父からもらった大切な御守りを握りしめ、父との会話を思い返した。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加