【呪われた学園】第9話

半沢範子の憎しみ（３）

範子はつらい毎日に嫌気がさして、笑わない女の子になっていた。

範子の顔は、常に青白く頬は痩せこけ、目は生気を失っていた。

おかっぱ頭の範子の容姿は、まるで呪われた市松人形のようで、学校の先生たちも、無意識のうちに範子を遠ざけていた。

｢最近の範子、ヤバくない？

あれじゃまるで、お化けよ｣

そんなヒソヒソ話を範子を遠巻きに見ている女子生徒たちがしていたが、範子はそんなことも気にせずに、まるで魂を奪われた人形のようにスッと廊下を歩いていった。

範子が廊下を歩くと、みんなが気味悪がって廊下のはしっこに寄り、道を開けた。

｢あの子、何かに呪われているみたい｣

一人の女子生徒が、何気なしに言ったその言葉が、範子の病んだ心の様子を言いあらわしていた。