半沢範子の憎しみ(3)

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範子は、何度蹴られようとも、カメのように体を丸め、朱美たちの言葉を無視し続けた。 きっと朱美たちにこの御守りを見せたなら、この御守りは返ってこないと思ったから。 もしもこの御守りを失ったなら、もう自分には、何も残っていなかったから……。 「範子、アンタは私たちの言うことが聞けないのね。 みんな、コイツのポケットに何が入っているか、無理矢理、調べるよ」 朱美はそう言って、カメのように丸まっている範子の体を仰向けに押し倒した。
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