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思い悩んでいた範子の背中に蹴りが飛んできて、範子はコンクリートの床に這いつくばった。
「範子、アンタ聞こえているの?
黙り込んでいれば、やり過ごせるとでも、思っているの?
アンタ、どうするのよ。
吠えるの? 吠えないの?」
彩佳の意地悪な声が、範子を責め立てた。
何で自分だけがと、自分の立場の理不尽さを呪いながら、範子はその場で、泣き崩れた。
〈 どうして私なの?
どうして私が、こんな目にあわなくてはならないの? 〉
「あら、負け犬ちゃんが、とうとう泣き出したわね。
でも、泣いても許してあげないよ。
明日も明後日も、ずっと仲良く遊びましょうね」
馬鹿の正子がそう言うと、朱美たち四人は、うれしそうに声を上げて笑った。
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