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「範子、何でこんなボロボロの御守りが欲しいのさ。
この御守りは、アンタの何なの?」
「それは……」
範子は朋美の問いに、言葉が詰まった。
範子は、その御守りの大切さを朋美に言ってしまったならば、余計にその御守りを返してもらえない気がしていた。
「お願いします。
その御守りを返して下さい。」
〈 その御守りは、お父さんからもらった大切な御守り。
私の唯一の話し相手。
その御守りだけは、私から奪わないで! 〉
「範子、私たちがアンタに返せと言われて簡単に返すと思うの?
それじゃ、範子、このボロボロの御守りで宝探しをして遊びましょう。
こんなものが本当に大切ならば、ちゃんと探して、見つけるのよ」
「ダメ!
お願いだから返して!
その御守りは、私の大切なものなの」
私が必死になって懇願すると、朱美たち四人は、うれしそうにゲラゲラと笑った。
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