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範子はその日の放課後、必死になって、御守りを探した。
あの御守りを握りしめ、心の中の不満を吐き出し、この町に復讐を誓うことで、つらい毎日をやり過ごしてきた範子には、
どうしてもあの御守りが必要だった。
範子は学校中をグルグルと歩きまわり、父からもらった大切な御守りを必死に探した。
〈 見つからない……。
私の大切な御守り……。
あの御守りは、本当にこの学校の中にあるの? 〉
やがて日が暮れて、校舎が暗闇に包まれたとき、範子はもう、御守りを探すことができなくなった。
〈 どうして見つからないの?
私の大切な御守り…… 〉
範子は肩を落とし、暗闇の中、トボトボと誰もいない校舎をあとにした。
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