半沢範子の憎しみ(4)

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範子は家に帰り、自分の部屋にこもると、得体の知れない孤独感に襲われ、一人で体を震わせていた。 〈 もう私には、何も残されていない。 友だちも、サイト内の仲間も、大切な御守りも…… 〉 範子はそう思って、朱美たち、四人の顔を思い浮かべた。 〈 あいつらは、私からすべてを奪っていったわ。 私の大切なものすべてを! 許さない。 あいつらだけは、絶対に! 〉 いつもの範子ならば、大切な御守りを握りしめて、あの四人の不幸を願っていたが、 範子にはもう、その大切な御守りすらなかった。
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