起床。そして、起動

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「んんんんんんん…………」 背伸びをして、ふわふわした白く長い髪の少女(に見える成人済み女性)は、暗い部屋で起き上がる。 枕元の、すぐに手の届くところには、やたらとでかいキーボード。広くもない 部屋の壁を埋め尽くすのは、アイドルのポスターなどではなく、無機質に光を放つ無数の液晶モニター。それを除けば、エアコンと小型冷凍庫と布団しかないような、小ざっぱりを通り越して何もない部屋だ。 「今日のお仕事はなにかなー?」 てきとうなつぶやきに応じて、画面の一つが切り替わる。 そちらは見ることなく、まずは軽く空腹を満たすべく、冷凍庫からチョコアイスのカップを取り出し、その蓋を開ける。 「んんん~!寝起きはやっぱりチョコチップですなあ。目が覚めるか覚めないかのこの感覚…………」 恍惚の表情を浮かべ、ちびちびとスプーンでアイスをすくって口に運びながら、画面に目を移した彼女は驚愕する。 「!!!!!???」 彼女の記憶が正しければ、今日は3月25日のはずである。なぜならば、毎月25日のセールを楽しみに、昨夜は眠りについたのだから。 モニターに表示された日付は、5月23日。 「なんという………」 いそいでアイスクリームを口に詰め込み、キーボードでコンピューターに指示を出してから、いそいで彼女は着替え始めるのだった。
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