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「きゃあぁああああぁっ!!」
突如けたたましい悲鳴を発し、持っていたスマホを床に思いきり投げつけた。
「どうしたんだ茜さん!!」
いきなり悲鳴をあげた彼女に驚き、寛が勢いよく立ち上がるが茜は両手で顔を覆い、ガタガタと震えている。
「茜さん……?」
側に駆け寄り、震える彼女の肩に手を添える寛。
すると茜が右手の人差し指で、床に投げ捨てたスマホを示した。
そちらに視線を移す寛だったが、スマホを見た瞬間 彼の顔から血の気が引いていった。
そこに表示されていたのは子供と思わしき小さな顔。
しかし、それは ただの顔ではない。
本来 眼球が収まっているべき部分には黒い穴が開いており、そこから血が流れ出していて、まるで涙のように見えた。
薄く開いた唇からも濃い色の赤が漏れており、顎(あご)へと垂れている。
顔色も真っ青で、どう見ても死んでいるとしか思えない子供の顔。
映画やドラマで見るより痛々しく、それでいて気色悪さが漂ってくる画像に、寛は今 食べたものを吐き出してしまいそうな嘔吐感に襲われた。
(な、何なんだコレは……! 作り物、作り物なのか!? いや、でも作り物にしてはリアルすぎる……!)
今までに見たことのない残酷な画像に言葉を失い、寛は内心パニックを起こす。
また、彼に肩を支えられている茜は ただ震えるばかりで頭の中は真っ白になっていた。
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