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茜の思いは強くなっていき、寛も また自分より若く綺麗な女に牽かれていく。
2人の思いは とどまる事を知らず、遂には身体の関係まで持つようになってしまった。
無論 茜と寛の関係は浩司と香澄は勿論、近所の住民達には知られていない。
そして今日は、浩司は出張、香澄は祖父母の家に泊まりに行っている為、堂々と不倫相手を家に招いたという訳だ。
「今日は ゆっくりしていってね。今、ご飯を温めるわ」
寛から離れると、茜は小走りでダイニングへと向かった。
スイッチを入れて電気を つけ、鍋が置いてあるガスコンロの火をつけ、料理を温め始める。
「今日のご飯は何かな?」
「ビーフシチューよ。一晩 寝かせたから、味が染み込んでいて美味しいわよ」
「やあ、それはいいね」
自分の好物が献立だと知った寛が笑顔を浮かべる。
彼は きょろきょろと辺りを見渡して食器棚を発見すると、茜に気を利かせて2人分のスプーンと皿を取り出した。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
礼を言いつつ皿を受け取り、温めたシチューを入れる茜。
彼女がシチューを入れた皿を、白くて綺麗なテーブルクロスが敷かれたテーブルに置く寛。
やがて作業を終え、茜と寛は席についた。
「いただきます」
同時に手を合わせて そう言い、茜達はシチューを食べ始めた。
「美味しいなあ。さすが茜さんだよ」
茜を褒めながら、寛は次々とシチューを口に運んでいく。
よほど味付けが気に入ったらしい。
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