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『これが~あなたの、えら~んだ~道~』
「キャッ!」
考え事に夢中だったせいで、いきなりの着信音に悲鳴を あげて驚く茜。
バクバクと激しく鼓動する心臓に手を当てつつ、届いたメールを開く。
そうすると、今度は空白ではなく『美味しいかい?』という文章が表示された。
たった それだけの短い文章であったが、差出人不明の不気味なメールに茜は鳥肌が立った。
(誰、なの……? どういう意味……?)
気味の悪さから辺りを忙しなく見渡す茜だが、当然この場には自分達しか居ない。
それなのに、何となく――本当に何となくだが誰かに見られているような感覚が するのだ。
「茜さん、どうしたの? 大丈夫?」
挙動不審な茜に声を かける寛。
そんな彼に茜はメールを見せようとするが、それよりも先に またスマホにメールが届いた。
それも画像が添付されているメールが。
「今度は何よ……」
震える指でスマホを動かし、画像を開く茜。
恐ろしいし、見る義務などないが、どうしても画像が気になって仕方ないのだ。
これが怖いもの見たさというものだろうか――茜は心の隅で そう思った。
添付ファイルを開き、画像をダウンロードする。
数秒の間を置いてロードが終了し、画像が表示される。
それを茜は下にスライドさせていくが――
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