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社長に向かって「マジか?」と気の抜けた返事をして、あの時隣にいた編集長は顔面蒼白になってたっけな
俺にしたら社長に呼び出される事もいきなり結婚を後押しされる事も、どちらも『ハァ?』な話で言われた時はそりゃあもうあまりにも的外れで笑ってしまったくらいだ
だけど会社からの圧力は半端じゃなくて「見合いしてみないか?」ではなく、「頼むからこの見合いを受けろ、そして結婚してくれ」……と毎日毎日必死の説得だった
でも俺は絶対に嫌だった
もともと結婚する気も恋愛する気もなかった
そういうの面倒だし俺には必要なかった
一人の方が気が楽だし一人で充分事足りていた
だけどあんまりのしつこさに困り果てていたら「とりあえず見合いはしろ、断るのはそれからでいいだろ?」、そう編集長に言われ渋々それに応じてしまった
そして見合い当日
先生と共に現れたのは『いかにも』な感じのお嬢様
周りの大人にチヤホヤされ存分に甘やかされて育ったのがバレバレの面倒くさそうな女
見てくれも中途半端な容姿を無駄な金をかけてそこそこ美人に見せてる程度の女性……
彼女の印象はそれ以上でもそれ以下でもなかった
悪いけど俺は女に何の期待も希望も抱いてない
むしろ全く興味が無いしどうでもいい
……と言っても別にあちらの住人ではないぞ
同性愛とか否定はしないが肯定もしない、悪いが俺は勘弁だってだけの話
まぁそんな話、今はどうでもいい
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