5590人が本棚に入れています
本棚に追加
まぁ、仕事中の悪態暴言はどうかと思いますけど……
だってほら、一応上司ですからね、これでも
まぁでも、酷いこと言い合ってても不思議と嫌な感じはしない
それよりも言い合える二人の関係性が微笑ましくて、実は時々編集長に嫉妬しちゃってたりして……
でね、それを長瀬さんに言ったら心底うんざりした顔でひと言、「やめてくれ」って言われちゃったけど
(ふふ、素直じゃないな
本当は結構長瀬さんも楽しんでるくせに)
心の中でクスリと小さく笑い、私を背に庇う様にして立つ長瀬さんの背中を見上げる
その大きな背からひょいと顔を覗かせば何だか楽しげな編集長が見えた
(……編集長イキイキしてるな)
対峙する二人の真逆の反応が面白くて、その様子を私は暫し見つめていた
ニヤニヤの奥に優しさが覗く編集長の生暖かい視線、だけどもそんなのものともしない安定の冷めた視線が素っ気なくそれを突き返し……そして
「そうだ純恋、これから一之瀬んとこだろ?俺も今から外へ出るから送っていくよ」
完全無視!
そしてあろう事か先生を呼び捨てに……
更に振り返った長瀬さんはニッコリ笑顔で、たった今舌打ちした人とはとても思えない程
が、しかし!!
(……この笑顔、何か怖い)
口元は笑ってるのに目が笑ってない、そんなドSチックな笑顔を向けられ咄嗟に分かりやすく視線を逸らしてしまった
「ちょっと無視はやめてよ、いじめ反対~!
ってかさ、七瀬ばっかじゃなくて少しは俺にも興味持てよな、寂しいじゃんか
昔はあんなに俺の事……んがっ!」
(……んがっ?)
「んがっ」だか「んごっ」だかわからないが、確かに聞こえた苦しげな呻き声に、思わず顔を上げた私の目に飛び込んできたもの、それは……
最初のコメントを投稿しよう!