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チラリと長瀬さんを見上げ改めて首筋を手で撫でる
すると少しばつ悪そうな顔で長瀬さんが言った
「俺のもんだってしるし」
そう言いながら私の手をどかし、長い指先が優しくそのしるしを撫でる
「ごめん、見える所はダメだって言われてるのにな」
スリスリと何度も撫でては思い詰めた様に息を吐き、そしてしるしが見える様に私の髪を耳にかけた
「でもどうしてもつけたくなった」
熱い眼差しで見つめられたまま、しるしをなぞる指先が私の顎を持ち上げ、そして触れるだけのキスが落とされた
一瞬で車内には甘いムードが漂い始める
抗おうにも長瀬さんに愛される幸せを知ってしまった私の体は、簡単に理性の壁を壊し受け入れ始めてしまう
そしてそのまま優しいキスが何度か繰り返され、やがて私の身も心も蕩け始めた頃にそっと離れて行った
キスの余韻が残る体でぼんやりと長瀬さんを見つめれば、少し困り顔の長瀬さんが私の唇の輪郭をなぞるようにゆっくりと親指で触れてくる
その様子があまりにも艶っぽくて、ふと頭の中にベッドでの長瀬さんが思い出され私は慌てて目を逸らした
そんな私の動揺を知ってか知らずか、ひと息置いて長瀬さんは私の頭をポンと撫でると
「よし、じゃあ行くか」
そう言って再び車を走らせマンションの敷地内へと入って行った
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