『その先のその後は……』

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「純恋、変な顔だぞ」 (ガ~ン!) 久々に聞いた懐かしい効果音をバックに長瀬さんをジトっと睨み返す、だけど 「お、何だ何だ~その反抗的な目は」 まるでこの状況を面白がってるかの様な、ううん、絶対に面白がってるに違いない そう思わせるほどに長瀬さんの雰囲気は柔らかく愉しげだった (むむっ……) 面と向かってこうハッキリ変な顔と言われてしまえば返す言葉もない でもそうしたのは長瀬さんだし、それを見て楽しんでるなんて 「ひどい……」 タコの口のまま恨めしげな目線を送れば、更に長瀬さんの顔が緩む 「しょうがない、やめてやる」 そしてかなり上からのお言葉を頂きようやくムニュムニュから解放されたのだが、ホッとする間もなく今度は腰を抱き寄せられて…… 驚く私に艶やかな笑みを向けるとコツンと額を合わせ、鼻先が触れる距離で見つめられれば急速に胸がドキドキと踊り出す おそらく今の私は口だけじゃなくて顔まで真っ赤でタコはタコでも茹でダコみたいになってるだろう (は、恥ずかしい……) だけど顔を逸らそうにも頭の後ろを押さえられ動かすことが出来ない その間も超至近距離で熱い視線は容赦なく向けられ、とうとう耐えきれずに私はギュッと目を瞑ってしまった 「タコみたいな純恋、めちゃくちゃ可愛い」 耳元でそんな囁きが聞こえたのと唇に柔らかいものが触れたのはほぼ同時だった 驚いて目を開ければもう一度触れるだけのキスを落とされ、そして甘い余韻を残し長瀬さんが離れて行った
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