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「………」
またしても同じ手を食らった事が悔しくて恨めしげな視線を遅れば、そこには甘さMAXの笑顔が待ち受けていて一瞬で心臓を撃ち抜かれてしまった
(ヤバい、心臓が変だ)
ドキドキッと大きな音を立て変なリズムで踊り出した胸が苦しくて、慌てて服の上から押さえる様に胸の辺りを掴んだ
そんな私を甘やかすみたいに優しく見つめる長瀬さんの視線
しかもそこに映っている自分を確認出来るくらい二人の距離は近い
(ダメだ、そんな風に見つめられたらまた私……)
自分が自分でなくなる前に早く目を逸らさなきゃ…そう思うのに目が逸らせない
「長瀬さ、ん……」
胸が苦しくて吐息混じりに名前を呼べば、いつの間にか摘まれていたはずの頬は長瀬さんの大きな手に包まれていて
そのまま少しだけ上を向かされると、掠れた声が切なく耳元に響いた
「だからそんな顔してたら……」
声と一緒に零れた長瀬さんの吐息が肌を撫でて、ゾクリとしたものが全身を駆け抜けて行く
だけどその時……
「ねぇねぇ、俺のテリトリー内で何してくれちゃってるのかな?」
すぐ近くからよく耳慣れた声が聞こえて来てビクッと肩が跳ねた
・・・・・・・
一瞬何が起きたのかわからなかった、でも
「…チッ」
聞き覚えのある舌打ちが一瞬で私の頭の中のピンクをぶち壊した
「……え、あ、えぇー、い、いやぁぁぁ!」
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