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嘘から始まった恋が今こうして本物の恋となって、ずっと想っていた人が今こうして私の隣にいる
一緒にいると楽しくてホッとしてドキドキして……
彼を想うだけで愛しくて幸せで、だけど時々無性に泣きたくなる程切なくて
「好き」じゃ足りない
「愛してる」でもまだ足りなくて
溢れる想いは日を重ねる毎に深く大きくなって、たまにゆっくり休まないと自分を見失いそうになるのにはちょっと困っちゃうけど
だけど大好きな人が自分を好きだと言ってくれる、そんな奇跡みたいな幸せに巡り会えた
「一度それ置きに戻ったら今日はもう帰るぞ」
前を見ながらまだどこか不機嫌そうな顔で長瀬さんが言う
「はい、帰りましょう」
定時はとっくに過ぎていたし、もともとそのつもりだったので素直に返事をすれば、分かりやすく長瀬さんの顔が綻んだ
「お、おぅ、じゃあ今日は一緒に夕飯作ろうか」
「…っ!は、はい、作りたいです!」
「ふっ、そうと決まれば帰りにスーパーだな」
「はい!」
嬉しくて繋いだ手をギュッと握ると、長瀬さんが応える様に握り返してくれる
(あぁ、幸せだな)
これからも、この先も、ずっとずっと、出来れば最期の時まで、私はこの手に触れていたいと思う
だから長瀬さんにとって私も、ずっと触れていたい、離したくないと思ってもらえる様な存在でありたい
そして彼が心を投げ出せる、ホッと息をつけるそんな居場所でありたいと思う
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