『困惑 side蓮』

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俺はあの日、自分の中にある『我慢』と『忍耐』を総動員させ、孫を溺愛しベタ褒めするクソジジイと、いかにもな世間知らずの中途半端美人との2時間を必死に耐え凌いだ 自分で自分を褒めてやりたい……って、昔誰かが言ってたな、誰だったっけあれは……? でもまぁ……一応これでとりあえず会社のメンツはたったであろう 「申し訳ありませんが私はまだまだ当分結婚する気はありませんので……」 それで終わりだと軽く考えていたのが間違いだった 簡単に断るつもりが困ったことに相手が悪かった 俺が断るという選択肢を与えないばかりか、会社に圧力をかけるという強引で卑劣なやり方 だから俺は作戦変更に踏み切った もうこうなったら手段を選ばない、とにかく断る! 実は以前から想いを寄せる女性がいて、つい先日自分の想いを打ち明けたらOKの返事をもらった まだ付き合って間もないのでその女性に心配も迷惑もかけたくなかったために見合いの話は言ってなかった 今までずっと温めてきた想いだけあって両思いになった今もう自分を抑えるつもりはない 自分が結婚したいと思う女性は彼女だけだ そんな嘘をいけしゃあしゃあと言ってのけた俺に返ってきたのは 『君の言いたい事はわかったが、この件暫く様子を見させてもらう』 と、何とも意味不明な返事だった そしてその意味がわかったのは数日後 会社帰りに俺を待ち伏せしてやがった見合い相手本人から、『俺に興信所がつけられた』と、まぁご丁寧に教えてもらったのだ
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