『契約』

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「七瀬、一之瀬先生から電話入ってる なんかお前の携帯に繋がらないとかブツブツ言ってるけど?」 「え?あ……はいはい」 ヤバ、充電すんの忘れてた わっ、もうこんな時間だったの?きっと確認の電話だよね…… うぅ……忙しいのに、何も今日じゃなくても…… 心の中でブツブツと文句を言いながらその辺の電話を取った 「もしもしお待たせしました七瀬です」 「あ、純恋(スミレ)ちゃん、よかったやっと繋がった 携帯全然繋がらないから心配したよ」 「すいません、充電し忘れてました」 「そんな事だろうと思ったよ、でもそういうそそっかしい所も可愛いね」 「…………はぁ……」 えっと……この状況はと言いますと まず私、七瀬 純恋(ナナセ スミレ) 27才 都内の出版社に務めて今年で5年目 編集の仕事に興味があり、当時ここで編集者として働いていた兄の親友の口添えで、実は大学時代ここでアルバイトをしていたのです そして運がいい事にそのまま就職出来てしまったというラッキーガールなんです 今現在兄の親友は転勤し、私はその後がまとなるべく編集部に身を置き、去年からは生意気にも担当作家さんを受け持つ立場になっていた そしてその担当作家さんと言うのが実はこの電話の主なんだけど……
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