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「ごめんごめん、お前達名前が似てて紛らわしいんだよな~
早くどっちかに統一してくれるかな?」
そう言って楽しそうに笑ってるけど、ちっとも面白くないから
シカトするも、どうやら編集長には想定内らしく気にしている様子はない
そしてそのまま続けられた話に、俺は一瞬動きが止まってしまった
「一之瀬先生のサイン会と対談が決まったんだよ
だから七瀬さんに早く知らせてあげたくてさ~」
ハァ……?
サイン会に対談……
……そんな話があったのか?
「これが終わるまで七瀬さん超忙しくなるよ~
可哀想だけど担当者だから仕方ないよな、悪いな長瀬」
………なぁ、それ全然可哀想だと思ってないし、俺にも悪いと思ってないよな?
訝しそうな俺の視線も何のその、何が楽しいのか始終ニコニコ顔の編集長に段々とイライラしてくる
「先生もさ、最初はごねてたんだけど俺の一言でノリノリでOKだったよ~
結構可愛いとこあるよね、一之瀬先生って」
……聞くまでもなさそうだが敢えて聞いてやるよ!
「へぇ~凄いですね、で?何て言ったんですか 」
「あ、聞きたい?それはね……
『受けてくれたらずっと七瀬と一緒にいられますよ、この件は七瀬に全て任せますから』って言ったんだよ……な?簡単だろ」
……な?じゃねーよ!
何また余計な事をしてくれてんだよ
クソッ……
これじゃまさしく先生のやりたい放題じゃねーか!
(ヤバイな、何か手を打たなきゃ……
って、何言ってんだ俺は……)
矛盾だらけの呟きに一人困惑しながら、ヘラヘラ笑ってる編集長をひたすら睨みつけていた
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